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第39回日本POS医療学会大会開催
第39回日本POS医療学会大会が8月19、20日の2日間にわたり、大正製薬本社ビル上原記念ホール(東京都豊島区)で開かれました。あべ俊子衆議院議員の特別講演や、さまざまなシンポジウムが行われ、参加した会員がPOSの現状や課題について理解を深めました。
今大会は「地域包括ケアの時代における診療記載のあり方~今こそPOSの精神を、あらためて~」をテーマに開かれ、聖路加国際大学教育センター研修管理委員会の渡邉直委員長が大会長を務めました。また、会場には、同学会の会頭で7月に亡くなった日野原重明さんの追悼コーナーが設けられました。
あべ議員は「看護記録の標準化について」と題した特別講演で、看護師が記録に費やす時間は労働時間の約2割を占めていること、記録の量が増えた結果、必要な情報が分散・重複し「患者中心・共同での記録」というPOSの本質から逸れていることなど、看護記録を巡る課題を指摘。「一患者一カルテは基本であり、看護計画ではなく“患者計画”にしなければならない。患者のために、チームとして本当に必要な記録は何かを精査することが、医療の質の向上に繋がる。日野原先生がおっしゃっていたPOSの本質に立ち戻り、皆さんが先生の夢を引き継いでほしい」と述べました。
シンポジウム「看護におけるケア記載 POSをどう活かすか」では、4人のシンポジストが発表を行いました。このうち、南三陸病院前看護部長の星愛子さんは、20年にわたって病院内で続けている研修会や事例検討会について紹介。「東日本大震災の翌年も、研修会は例年通り実施した。継続は力であり、20年の歩みが今を支えている。POS導入によって、患者さんの意思やその人らしさを活かした援助ができるようになった。これからもPOSを基本とした患者に寄り添う看護を続けていきたい」と語りました。
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①診療記載に関する現状や課題について議論された日本POS医療学会大会
②講演するあべ俊子衆議院議員
③「看護におけるケア記載」をテーマにしたシンポジウム
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