会長のマンスリーメッセージ
「看護の日」に思うこと
「看護の日」は市民・有識者による「看護の日の制定を願う会」の運動がきっかけになり、旧厚生省により、近代看護を築いたフローレンス・ナイチンゲールの誕生日にちなみ、1990年5月12日に制定されました*1。制定の趣旨は「21世紀の高齢社会を支えていくためには、看護の心、ケアの心、助け合いの心を老若男女を問わずだれもが育むきっかけとなるよう」とのことです。
「看護の日の制定を願う会」により書かれた趣意や呼びかけ人による添え書きを読むと、今に通ずることも多く、呼びかけ人らが看護の心を大切に思われていたこと、そして看護職にも格別の理解と応援の気持ちを抱いておられたことを感じます*2。
今年も各都道府県で「看護の日」のイベントが開かれたかと思います。私も日本看護協会が東京・原宿で開催した5月12日のイベント「かんごちゃんねる」に参加しました。テーマは「さぁ、看護の未来を、見つけにいこう。」で、タレントのハリー杉山さんが司会を務め、女優の羽田美智子さんがスペシャルサポーターとして登場し、毎年行われている「忘れられない看護エピソード~いのちをまもり、支えるプロフェッショナル~」表彰式が行われました。受賞者3名のうち、お2人の受賞エピソードが朗読され、次に最優秀賞の方のエピソードをアニメーション化した映像が初披露されたときは、壇上の方も会場の方も目頭を押さえている方が大勢いらっしゃいました*3。
休憩をはさんで行われた「トークセッション」では、現役高校生が現場で活躍する看護職の皆さんの施設を訪問し、仕事の魅力や専門性について感じたことを話されていました。1人でも多くの方が、看護のことや看護師の業務を知り、仲間になってくれることを願うばかりです。
看護を職業とした人は誰でも、ふと思い出す忘れられないエピソードがいくつか頭をよぎると思います。そして、「私たちの師はいつも寄り添う患者であった」とあらためて感じました。看護実践の中での臨床の知を語り継ぐことの重要性を痛感した1日でした。
「かんごチャンネル」に登場された皆さま
左から、かんごちゃん、高橋弘枝日本看護協会会長、「忘れられない看護エピソード」受賞者の大石有美香さん、坂倉喜代美さん、長野樹さん、浅沼一成厚生労働省医政局長、羽田美智子さん、ハリー杉山さん
*1 日本看護協会HP「看護の日」 https://www.nurse.or.jp/aim/simin/
*2 日本看護協会HP「看護の日の制定を願う会」 https://www.nurse.or.jp/aim/simin/about/demand.html
*3 「かんごちゃんねる」アーカイブ映像 https://www.youtube.com/watch?v=NTbggWDzR8M
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