会長のマンスリーメッセージ

会長マンスリー
2024.03

「2024年度 診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス等報酬改定」を読む

●トリプル改定の注目点

 2024年度の診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス等報酬のトリプル改定の注目点を考えてみる。

 「診療報酬」では、①処遇改善/②急性期一般(7:1)要件の厳格化/③高齢者医療への対応(救急対応、地域包括医療病棟創設)/④タスクシフト/シェア(医師・看護師・看護補助者)/⑤医療版DX対応などである。

 「介護報酬」では、①処遇改善/②医療との連携の強化(医療ニーズ、看取り)/③感染症や災害への対応力向上(BCP)などである。

 「障害福祉サービス等報酬」は、①処遇改善/②医療との連携の強化(感染症対策)/③虐待防止措置、身体拘束の適正化/④サービス提供時間に応じた報酬設定などである。

 トリプル改定の実施スケジュールは、診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス等報酬のいずれも「看護補助者の処遇改善事業」「介護職員処遇改善加算」「福祉・介護職員処遇改善臨時特例交付金」として2024年2月から5月に実施され、「診療報酬・介護報酬の改定」「介護職員等処遇改善加算の加算率引上」「福祉・介護職員の処遇改善及び処遇改善加算等一本化」は6月からとなる。

●「医療従事者の人材確保や賃上げに向けた取り組み」に関する施設基準

 今月は、2024年度診療報酬改定の個別改定項目である「医療従事者の人材確保や賃上げに向けた取り組み」に関して、主な施設基準に注目したい。

 主な施設基準は、

①2024年度および2025年度に対象職員の賃金(役員報酬を除く)の改善(定期昇給によるものを除く)を実施しなければならない

②2024年度において、翌年度の賃金の改善のために繰り越しを行うことができる

③賃金改善は、基本給・手当・賞与等のうち対象とする賃金項目を特定した上で行い、基本給または決まって毎月支払われる手当の引き上げを原則とする

④対象職員の基本給等を2023年度と比較して一定水準以上引き上げた場合は、40歳未満の勤務医(歯科医師を含む)および事務職員等の当該保険医療機関に勤務する職員の賃金(役員報酬を除く)の改善(定期昇給によるものを除く)を行うことができる

⑤2024年度および2025年度における賃金引き上げに係る計画を作成する

⑥計画に基づく職員の賃金の改善にかかる状況について、定期的に地方厚生局長等に報告する

となっている。

 これらは診療報酬を算定している病院を対象に、全医療職・全看護職が対象になる。対象にならないのは40歳以上の医師である。2022年度の診療報酬改定で創設された「看護職員等処遇改善評価料」(以下:評価料)は廃止されなかったが、どの程度賃上げするかは、施設の自由である。経営側から「看護職は既に評価料として12,000円出してもらっているから今回はいいね」という話が出るかもしれない。しかし、国としてはそこまで介入できない。

 「自分たちで給与を上げる」という看護管理者、そして看護職員自身が認識を高める必要がある。特に、看護管理者が診療報酬の仕組み等を理解し、経営側に働きかけていくことが看護職の処遇改善につながっていくことになると考える。

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