会長のマンスリーメッセージ
COVID-19感染拡大のなか 新たなツールで連盟活動を活性化しましょう!
延期になっていた日本看護連盟の通常総会が、11月30日に開催されます。
安全を考慮したものの、第三波と目される時期にぶつかってしまいました。全国からのご参加と臨床の方々に配慮し、リモートを兼用して実施いたします。幸い、すでに会長会で、事業計画・事業報告、予算・決算などは決議していますので、報告事項中心の総会になります。
COVID‐19の感染により、私たちは新たなツールを手に入れました。Zoomを使ったリモート会議です。青年部活性委員会は2019年から先行的に活用していましたが、連盟の中央役員会やブロック会議も、47都道府県と本部を結んでどんどん行われるようになりました。
何よりも移動がない分、会員を守れることと、時間短縮にもなり時間貴族になっていただけること、そして、臨床の負担を少しでも軽減できることを嬉しく思います。
リモートとは、離れた、遠隔の、隔たりのある、かけ離れた、間接的な、などの意味を持つ英単語です。ITの分野では、離れた場所にある二者(人や機器など)が通信回線やネットワークなどを通じて結ばれていることを表します。COVID-19の感染拡大によって私たちは、否応なくオンライン環境に向き合い、「対面」を避ける生活を強いられることになりました。そんな時代だからこそ「対面」の持つ意味と、それに代わるツールについて考えてみたいと思います。
対面のコミュニケーションには、「バーバル(言語)コミュニケーション」と「ノンバーバル(非言語)コミュニケーション」があります。米国の心理学者のアルバート・メラビアンは、言葉の持つ意味7%で、身振り・手ぶりの視覚情報が55%で、表情・声のトーンや大きさによる聴覚情報が38%と言っています。
メラビアンの法則とは、感情や気持ちを伝えるコミュニケーションの場合、どのような情報に基づいて印象が決定されるかを検証した1971年のレポートです。人は見た目が9割といわれる所以になったものですが、この法則が画期的なのは、コミュニケーションの発信を「視覚・聴覚・言語」の3項目に分類し、この3つを一致させることで相手に的確な感情を伝えられると示した点です。
ですから、人と人が向き合うときには、五感を総動員して言語と非言語の情報を収集し、総合的に判断しながら、その時々で話を進めていきます。対面で得られるコミュニケーションが100%であるとしたら、オンラインで得られる情報量はどれくらいなのでしょう。
画面いっぱいの顔を見て、眉間に皺を寄せて難しい表情の自分に気づいたとか、新たなシミを見つけたという方もいらっしゃるかもしれません。リモートの功罪は、様々ですが、対面よりも精巧に他者だけでなく自らも映し出されることがその特徴です。
会場の広さにより、映し出されない方も出てくるかもしれないことと、回線が繋がらない不安定さはデメリットになります。ですが、リアルタイムに相手や自分を映し出すことで、対面に近い、いやそれ以上の成果が得られる形にすることが可能なのです。自らを客観的に画像で見ることができるのは、むしろ、対面にない大きなメリットです。少し技術を手に入れることと、そのプロセスが重要になるでしょうが。
バーバルコミュニケ―ションの情報は、メールや添付文書やチャットを用いることで、必要最小限の情報を正確に表現し、過不足なく伝えられるメリットがあります。その時その場で対応しなくても、のちに読み返すこともできます。
一方ノンバーバルコミュニケーションは、対面してこそ得られる情報で、相手の感情やその場の空気、雰囲気、言葉に含まれない情報を感じとります。肌で感じるピーンと張りつめた緊張感や、温かい、まったりとした長閑な雰囲気などは、その代表的な感覚でしょう。
Web会議や電話は、対面と言わないまでもノンバーバルコミュニケーションを補うツールです。相手の表情や声のトーン、間のとり方を視覚と聴覚によって直接読み取り、聞き取り、相手の感情を確認することが出来ます。従って、対面に近い成果、場合によっては、本人の気づきという大きな成果が得られると考えてよさそうです。
Web会議や電話は、わざわざ移動時間や交通費をかける必要がないだけでなく、参加者の調整も容易にします。それでも、人と人との感情や信頼関係がその人の判断や決定に、多分に影響を及ぼすことを私たちは知っています。ですから、Web会議が対面にとって代わることはないと思います。が、今は安全のためにこの方法を選択し、早く慣れて使いこなすことが最優先です。
移動による感染拡大がはっきりしているのですから、看護職として、現役看護職の仕事を増やさない配慮と決断をする秋と考えて、新たなツール獲得で、連盟活動を活性化しましょう。
会長のマンスリー
メッセージ