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2020年度特定行為研修シンポジウム
1月22日、2020年度特定行為研修シンポジウムがウェビナー形式で開催されました。
2015年に「特定⾏為に係る看護師の研修制度」が創設されました。特定行為研修を修了した看護師は、医師の出す手順書に基づいて、特定の医療行為が行えるようになりました。
また、2019年度の認定看護師制度の改正に伴い、2021年度からは、現行の認定看護師資格を取得している場合、特定行為研修を修了し必要な手続きを行うことで、新たな認定看護師になることができます(移行せず、現行の認定更新審査を受け合格することで、現行の認定看護師資格を継続することもできます)。
2020年4月末日時点において、特定行為研修を修了した認定看護師は619名で、2021年3月には760名を超える予定です。
全体では、「特定⾏為に係る看護師の研修制度」が施行されて以降、2020年10月時点で2887人が研修を修了しており、2020年8月時点で、指定研修機関は222機関となっています。さらに2020年度からは、在宅領域で働く質の高い看護師の確保、在宅領域における実践モデルとなる看護師の育成を目的に、在宅や介護領域の看護師を対象とした、在宅慢性期・領域のパッケージ研修も開始されました。
特定行為に係る研修制度の活用の推進は、日本看護協会の重点事業であり、厚生労働省の看護関係予算でも、上位に掲げられているものです。
特定行為の必要性やその活動が浸透してきたなか、2020年度は「患者・利用者のニーズに沿った特定行為研修修了者の活動と活動支援の方策」をテーマに、下記のプログラムで行われました。
厚生労働省からは、研修内容の見直しについて(研修時間の短縮、領域別パッケージ研修の実施)、研修の支援制度について(「看護師の特定行為に係る研修機関の養成力向上支援事業」)、医療広告規制の見直しや診療報酬における評価について、などの情報が提供されました。
シンポジウムの発表では、滋賀医科大学医学部附属病院と鶴巻温泉病院からは管理者としての立場より、特定行為研修修了者の育成ビジョン、サポートや支援の方針と実際、研修修了後の自機関での研修フローやキャリアパスなどについて言及されました。また、KA訪問看護ステーションからは、実施者として、多くの事例から研修の成果と意義が紹介されました。発表後の意見交換では、研修修了者へのインセンティブ(手当)や評価をどうするか、研修修了者はジェネラリストかスペシャリストか、また、コロナ禍における研修修了者の活動などに議論が及びました。
特定行為研修修了者をどのように活かすかについては、日本看護協会より『研修令和2年版 看護白書: 特定行為研修を修了した認定看護師の活用』が刊行されています。
◎開会の挨拶
永井良三(看護師の特定行為に係る指定研修機関連絡会会長)
福井トシ子(公益社団法人日本看護協会会長)
◎情報提供「特定行為研修制度に関するトピックス」
厚生労働省医政局看護課看護サービス推進室
◎シンポジウム
「急性期病院の管理者の立場から」
吉田和寛(滋賀医科大学医学部附属病院看護師長)
「慢性期病院の管理者の立場から」
小澤美紀(医療法人社団三喜会鶴巻温泉病院看護部長)
「在宅領域の実践者の立場から」
瀧澤晴海(KA訪問看護ステーション)
◎意見交換
座長 神野正博(全日病副会長・社会医療法人財団董仙会理事長)
荒木暁子(公益社団法人日本看護協会 常任理事)
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