看護連盟NEWS

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2019.11.18

自民党「人生100年時代戦略本部」がヒアリング(2)

(2)出席議員の主な質問・意見

◎1人当たりの医療費は、60歳から64歳が一番高いが、65歳以降では受診が頻回となり合計の医療費は一番高くなる。一方で自己負担は、若い世代は2100円程度、高齢者は一律800円程度。これが頻回受診の原因なのは明らかだ。高齢者の頻回受診は、若い世代の受診抑制につながっている。病院での待ち時間が長いため、仕事の忙しい若い世代は受診ができない。3割負担の若い世代にはファストパスなどを導入して、つまり高齢者には時間を負担してもらってはどうか。また、高額所得者に有利な医療費の税額控除は見直すべきではないか。

◎ナース・プラクティショナーの資格取得には2年間の大学院修了が必要というが、今勤務している忙しい看護師は資格取得できるのか。疾病予防は重要だが、インセンティブがないと、うまくいかないのではないか。以前、岡山県の総社市では、1年間病院に行かなかったら1万円キャッシュバックという制度をやっていたが。

◎医師の半数が国民皆保険は持続不可能と考えているという報道もあったが、皆保険は維持しなければいけないと考える。また、世代間、世代内の格差を是正しなければならない。健康寿命の延伸・疾病予防の取り組みは中長期的な目標で、給付と負担の見直しは今すぐ取り組むべき問題だ。また、地域間格差もIT技術などで縮めていくべきだ。

◎堀先生の医療サービスの需要の価格弾力性は小さいというご指摘は興味深い。これまでの医師会の主張を覆すものだ。どちらが正しいのか検証する必要がある。価格弾力性は小さいのなら、いくらまでならサービスの需要に影響しないのか。

◎都道府県別の医療費のグラフを見ると、西高東低である。今後、地域医療構想を進めていくにあたって、一律に抑制するとおかしなことになってしまう。

◎健康寿命の延伸が、医療費の増加を伴うという意見があった。健康でない人の寿命も延伸しているということだろうが、終末期医療について、クオリティオブライフ、クオリティオブデスの議論を活発にしていかないといけないと思う。

◎現場では、頻回の受診が健康寿命の延伸につながっていると感じている。この点も議論していただきたい。外来受診時の定額負担の定額をどのように考えるのか。今でも大病院に直接受信する際にかかる初診料を想定しているのか、それとも、どこでも一律に3割負担プラス定額料金を想定しているのか。また、後期高齢者の窓口負担が1割から2割になるというが、受診抑制と窓口負担とのバランスを考えていただきたい。重複受診、重複投薬の問題と受診抑制は別の問題だ。

◎ナース・プラクティショナーの話が出たが、タスクシフトは重要だと思う。窓口負担は、徐々に2割負担にしていくというが、これは進めるべきだ。給付と負担ありきでは、医療の将来像は見えない。高額医療費制度と国民皆保険は堅持しないといけない。まずは、今後の地域医療体制のあり方をしっかりと考えたうえで、給付と負担のあり方を議論していくべきだ。

◎人生100年時代では、今までとは違う新しい医療制度を作っていかなければならない。理想形とする医療制度をどのように考え、予防のインセンティブをどのようにするか。現在の医療制度では、重症になるほど医療費は上昇するという、逆のインセンティブがかかっている。

◎頻回受診というが、どういう状況で、どういう科を受診しているか調べて欲しい。加齢に伴い、いろいろ不具合が出るのは当然なので、単に受診抑制をすればよいわけではない。無駄な医療は是正すべきだが、負担割合も、実態を見ずに決めると健康被害を起こし日本の医療は壊れてしまう。定額的負担も、財政的な効果は一時的なものではないか。国全体で医療を支える方策を考えないと、どこかで破綻する。

◎ヘルス・リテラシーは重要だ。賢い医療のかかり方という議論がもっとあってもよいのではないか。

木村やよい衆議院議員

たかがい恵美子参議院議員

あべ俊子衆議院議員

 

 

 

 

 

 

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