看護連盟NEWS
プロの看護師であり続けるために ―「看護師のクリニカルラダー(日本看護協会版)」への期待ー
日本看護協会は、2025年問題に向け、あらゆる場で活躍する看護師の実践能力強化を目的に「看護師のクリニカルラダー(日本看護協会版)」(以下、JNAラダー)を開発して、2016年5月に公表しました。
http://www.nurse.or.jp/nursing/jissen/ladder/index.html
公表後2年が経ち、さらなる普及を目指して、18年12月に東京と大阪で大規模な交流会が開催されました。病院、訪問看護ステーション、教育機関などに所属する看護管理者や教育担当者ら計775人が参加しました。
●川本利恵子常任理事のあいさつ
12月20日の東京会場では、開会のあいさつで川本利恵子常任理事があらためてJNAラダー開発の経緯に言及しました。本交流会には、導入から一歩進め、ラダーの活用による施設内や地域における成果を共有する場にしたいというねらいがあり「看護実践能力を標準的に測るJNAラダーを地域の共通言語にすることで、教育の地域連携が促進され、さらなる看護実践能力向上に寄与することを期待している」と述べました。
●石田まさひろ参議院議員のあいさつ
来賓として壇上に立った石田議員は「現場は看護師不足が深刻だが、人口減少社会が進む未来は、看護師の確保がますます厳しくなる。少ない人数でいい看護をするには、看護の質をどう高めるかが重要な課題」と前置きしたうえで「いのち、くらし、そのものに介入してケアしていくプロフェッショナルは、一生を通して学ぶ専門職。その指針となるのがこのクリニカルラダーだ。若い看護師たちが病院のみならず、訪問看護や介護施設などあらゆる場で働き、看護師として成長するために、このラダーを活用してほしい」と、参加者にエールを送りました。
●シンポジウムから
両会場ではJNA ラダーの活用に関して、①地域内教育連携、②オンデマンド研修を活用した施設内教育、③事例の共有についてそれぞれシンポジウムが行われ、計15 施設の関係者が登壇しました。
質疑応答では、JNAラダー導入済みの施設や導入検討中の施設関係者から教育や評価方法、組織内意思決定等に関する質問が多くあがり、JNAラダー活用への意識の高さが伺われました。
登壇者からは、人事考課にJNAラダーを位置づけることによる賃金体系への反映について、日本看護協会が2016年に提案した「病院で働く看護職の賃金のあり方」を参考に、検討を重ねたいとの意欲が示されました。
https://www.nurse.or.jp/nursing/shuroanzen/chingin/proposal/pdf/proposal.pdf
看護連盟NEWS