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衆議院議員田村憲久社会保障勉強会 第2回目を開催
8月3日ホテルニューオータニ(東京都千代田区)において、第2回目となる衆議院議員田村憲久社会保障勉強会が開催されました。
第1回目は、https://kango-renmei.gr.jp/news/338 をご覧ください。
今回は、横倉義武日本医師会会長と田村議員との対談。2017年の骨太の方針と診療報酬得・介護報酬の同時改定を中心に、社会保障制度の様々な課題に対する田村議員の考えについて横倉会長が質問しました。
折しも安倍内閣改造発表の日で、横倉会長は、新しい厚生労働大臣となった加藤勝信衆議院議員について感想をききました。田村議員は、加藤新大臣は、自民党の厚生労働部会で一緒に仕事をしたこともあり、気脈の通じる間柄だと答えました。
横倉会長は、まず6月に発表された2017年の骨太の方針であげられている社会保障制度に関する項目について、田村議員に質問しました。
①骨太の方針全体については、2015年の「骨太」を引き継いで財政再建色の強い内容になっている。
②地域医療構想については、これから生き残っていくために皆さんで話し合っていただいて、病床を減らすという考えではなく、適正な形に病床転換を図っていくことが大切だ。
③終末期医療については、アプローチを間違えると国民の理解を得られない。財源を先に考えるのではなく、ACP(advance care planning)の考えを採り入れ、まず本人だけでなく家族も納得して終末期を迎えられるようにすることが大事だ。
つづいて、来年(2018年)迎える診療報酬得・介護報酬の同時改定について、さらには社会保障費の財源について質問し、田村議員が答えました。
①介護・医療報酬いずれもマイナスというわけにはいかないだろう。さらには、待機児童対策に、消費税を8%から10%に上げることで得られる予定の財源を前倒しで使っている。これから、この財源をどうするのか、自民党内や他党との調整が必要になる。
②近年、医療・介護の従事者数が増え、人件費率が50%前後になって、給料を上げづらい状況になっている。給料をマイナスにすることはあり得ないので、様々な形で効率化を図っていかなけらばならないだろう。
③薬価を下げた分は、本来は医療費に還元すべきだが、薬価を下げ続けると医療全体が立ちゆかなくなる。医療経済を根本的に見直さなければいけないだろう。
④2019年10月に消費税を10%にあげる予定だが、また上げられないと社会保障費は賄えない。何としても消費税を上げなければならないが、それによって景気が悪化しないように、知恵絞っていかなければならない。
⑤企業の内部留保の一部を、雇用と給与に回してもらうことは社会保障費の面からも重要だ。この点を企業にはお願いしていきたい。
⑥社会保障費の応能負担について、所得だけでなく、金融資産も対象にするよう取り組んでいる。とはいえ、資産に関しては精緻な捕捉ができないという課題がある。
⑦たばこ税も重要な財源で、そろそろ上げ時かもしれないが、その前に早く受動喫煙防止法を成立させなければならない。
また、最近注目を集めている遠隔診療についても言及がありました。これからの超高齢社会においては、対面診療が原則ではあるが、常に訪問診療することは難しくなるだろうし、そういう場合にICT機器を利用して遠隔モニタリングし、何かあったときに駆けつけるという態勢は出てこざるを得ないだろうと、田村議員は述べました。さらには、介護療養病床の介護医療員への転換の課題、薬価の毎年改定の課題、「かかりつけ(医・歯・薬)、町の保健室、かかりつけ介護」に対する期待と課題について話されました。
(写真)
- 田村衆議院議員(左)と横倉日本医師会会長
- 左から、西川三重県看護連盟会長、田村議員、西城日本看護連盟副会長、榮木日本看護連盟幹事長
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