会長のマンスリーメッセージ
会長マンスリー
2025.02
思いやりの力――看護の力を支える大切な心
皆さま、こんにちは。日々看護の現場で活躍されている皆さまに、日本看護連盟会長として心から感謝申し上げます。
不安を掻き立てるようなニュースが次々と聞こえてきます。そのたびに「どうして」と考えさせられます。混沌とした日常の中で、誰もが自分のことでいっぱいになり、人を思いやる心を失っているような気がします。心を失った人間は、他者の痛みを感じなくなり、嘘をつき、人を傷つけ、弱いものを踏み台にしても何も感じなくなる……。世界には、そういう人たちが増えてしまったのでしょうか。
看護は、単に医療技術や知識を提供するだけではなく、人と人との繋がりをつくる仕事でもあります。私たち看護職に求められる大切な要素の一つが「相手を思う気持ち」だと思います。この「思いやり」は、一人ひとりが持つ背景や状況を理解し、心から寄り添い、共に歩んでいこうという気持ちです。思いやりを持って接することが、心を癒し、回復への大きな力となります。そして、小さな気づきと優しさが、大きな変化を生むことを信じています。
先日、ある新聞の詩のコーナーに、伊豆諸島最南端の青ヶ島に暮らす人々の別れの言葉が紹介されていました。島民の方々は「さようなら」では伝えきれない思いを込めて、別れの時に「おもうわよう」と言うそうです。「離れていてもいつもあなたを思っている」という名残を惜しむ言葉として使っているとのことでした。素敵ですね。
引き続き、皆さまのご尽力に心から感謝いたします。一人ひとりに思いを馳せて、精進してまいりたいと思います。
青ヶ島全景
(写真:海上保安庁海洋情報部 https://www1.kaiho.mlit.go.jp/jhd.html より)
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