会長のマンスリーメッセージ
第7次医療計画の策定にあたって
平成30年度から新たにスタートする第7次医療計画策定に向けての通知が、本年3月に厚労省医政局長(作成指針)、厚労省医政局地域医療計画課長(疾病・事業及び在宅医療に係る医療体制構築に係る指針)から発出され、「医療計画の見直し等に関する検討会」等において本年12月の「医療計画作成指針」の作成に向けての議論が大詰めを迎えている。
医療計画見直しのポイントとして、急性期から回復期、慢性期までを一体化した医療提供体制の構築、介護保険事業計画等との整合性の確保があげられ、
第7次医療計画の具体的な見直し内容として、①5疾病(がん、脳卒中、心筋梗塞等の心血管疾患、糖尿病、精神疾患)・5事業(救急医療、災害時医療、へき地医療、周産期医療、小児救急を含む小児医療)及び在宅医療,②指標(二次医療圏の医療体制の現状を客観的に比較するための共通の指標、PDCAサイクルを適切に見直すことができる指標の見直し)、③地域医療構想、④医療・介護の連携、⑤基準病床数、⑥その他(ロコモティブシンドローム、フレイル等への対応)があげられている。
第7次医療計画の策定にあたって、在宅医療に係る事業として「訪問看護ステーション」の役割が明記されていることは注目すべき事項である。
医療従事者の確保については、「新たな医療のあり方を踏まえた医師・看護師とうの働き方ビジョン検討会」や「医療従事者の受容に関する検討会」等での検討を含めて必要な見直しを行うこととされているが、従来から看護職員の需給を検討してきた「看護職員需給分科会」の活動が、現在、中止されたままの状態であり、看護職員の確保に関して第7次医療計画の中に具体的に反映されない可能性が大きいことが懸念される。
2025年に向けた「地域完結型医療」「支える医療」において看護職は極めて重要な役割を果たす職種であることを認識し、第7次医療計画作成指針に、看護職の役割等をしっかり反映させていかなければならない。
第7次医療計画は、地域医療構想も含めた地域と一体化した計画とすることも大きな特徴であり、地域医療構想に関する検討の場として各都道府県に「地域医療構成調査会」(看護協会が構成員の一員として明記されている)が設けられている。これらの検討の場において看護職の代表がエビデンスに基づいた看護の視点からの発言をしていただき、医療計画に看護職としての意見がしっかり反映されることを見守っていきたい。
会長のマンスリー
メッセージ