会長のマンスリーメッセージ

会長マンスリー
2018.06

2040年ってどんな時代?

 国は、平成26年(2014年)に「医療介護確保法」を制定し、保健師助産師看護師法を含む医療関係の19の法律を改正し、団塊の世代(昭和22〜24年に出生)の人々が、後期高齢者(75歳)となる2025年に照準を合わせた社会保障制度改革を進めております。看護の領域の改革の一例としては「特定行為に係る看護師の研修制度」があり、2025年までに10万人の特定行為研修を修了した看護師を輩出することを目標に、事業展開が行われております。

 そのような中で、5月21日、政府の経済財政諮問会議は、2040年の社会保障給付費(年金、医療、介護、子ども・子育て支援)の推計値を公表しました。

 2040年には人口構成が激変し、特に生産人口(15〜65歳)の減少が加速し、高齢者人口が4000万人とピークに達し、総人口の3分の1を超えると推計されております。介護が必要とされる85歳以上(85歳以上では50%が介護を必要とするとされている)の人口は1000万人と推計されています。

 社会保障給付費は、現在(2018年)の2.6倍の190兆円になり、国民総生産(2040年のGDPは790億円)の24%を占めると推計されております。医療給付は1.75倍の68兆5千億円、介護給付は2.4倍の26兆円とされ、特に介護給付の伸びが大きいと見做されています。増加した給付金を、どのように用意していくかが国にとっての大きな課題です。現役世代に負担を押し付ける訳にはいかないことは、衆目の一致するところです。

 公表された値はさまざまな前提条件の下での推計値であり、議論のあるところですが、一つの目安として私たち看護職も、2040年を見据え、医療・介護の給付金をできるだけ減少させるための具体的な改革を提案し、実現していかなければなりません。改めていうまでもなく疾病予防・介護予防を進めていくことです。国民にとって最も身近な存在である保健師、看護師が疾病予防、介護予防に向けた国民の「自助」を効果的、効率的に支援していくことです。さらに、出生率をあげ、生産人口を増やすために、出産だけではなく、産後ケアも含めた助産師を活用する仕組みづくりが不可欠です。

 また、医療職間および看護職間のタスクシフトを積極的に進めることです。このために、今こそ、医療界の慣習を凌駕する思い切ったパラダイムシフトを図る時期であると考えます。高齢者の活用も必要です。体力的には若い人のようにはいきませんが「生涯現役」を目指し,長年の経験を生かし世の中に役に立ちたいと考えている知恵と情熱をもった看護職は少なくありません。ICT技術、AIが活用され、高齢の看護職でも働き続けられる環境整備が進むことを期待しています。

 2040年問題を「他人ごとではなく、自分ごと」としてイメージすることから始めましょう。

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