看護連盟NEWS

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2021.11.12

訪問看護サミット2021開催

 2021年11月6日、日本訪問看護財団主催の「訪問看護サミット2021」(日本訪問看護財団主催)が、昨年同様、オンラインで開催されました。今回のテーマは「どんな時も共にある訪問看護をめざして、ポストコロナの最善のシナリオを描こう!」

 約800人の参加申し込みがあり、当日のライブには約650人が参加しました。

ライブ配信に向けて、リハーサル

司会の菊地よしこ事業部課長

【清水理事長のあいさつ】

 冒頭、清水嘉与子理事長が挨拶しました。

 <このコロナ禍で、世界に誇っていた日本の医療皆保険制度に綻びが見え、医療従事者は疲弊し、入院できない患者も出た。保健所の情報が、在宅医療や訪問看護にうまくつながらなかったこともあったが、現場の看護師をはじめ、看護職はたいへん頑張った。

 岸田文雄内閣が発足し、先の衆議院選挙で信任を得た。この衆議院選挙では、あべ俊子、たかがい恵美子、2人の看護職候補が当選した。みなさんも、ぜひ看護職の国会議員に現場の声を届けてほしい。

 今後は、在宅で療養される方々をどのように支えるかが大きな課題となる。日本は、在宅で療養される方々へのサービスが、他の国に比べ遅れている。コロナ禍においても、すべての訪問看護が対応できたわけではなかった。

 今回のサミットのテーマは「どんな時も共にある訪問看護をめざして、ポストコロナの最善のシナリオを描こう!」と大きく掲げたが、もちろん、訪問看護だけでできるわけではない。たくさんの方々が手を携えて、地域のために医療・福祉の準備をしなければならないのは当然のことだ。そのなかで、訪問看護師は、生活する場に一番近いところで働き、人々の健康問題に一番早く気づくことができる。訪問看護ステーションが、地域の人々が気軽に健康相談に行ける場所になってくれるといいと思う。そのためには、訪問看護ステーションをもっと増やさなければいけないし、そこで働く看護職を増やさなければいけない。もちろん質的にも高い人材が求められる。認定看護師、専門看護師、あるいは法制化が待たれるNPなどの資格をもった看護職が、多く在宅に入ってくることが期待されている。輝く先輩が現場にいるから、優秀な後輩があとに続くという世界だ。参加者は、今回のサミットのなかで、たくさんのヒントを得て、さらに輝いていただきたい>

清水嘉与子理事長

【特別講演】ポストコロナの時代、訪問看護に求めること

 清水理事長の挨拶のあと、波平恵美子お茶の水大学名誉教授による特別講演「ポストコロナの時代、訪問看護に求めること」が行われました。波平名誉教授は、医療人類学者として、看護基礎教育に長年関わってきました。今回の特別講演では、次の3つの視点からお話をされました。

 ①COVID-19感染症拡大によって明らかになった状況を新たな視座から直視する重要性:今後大規模な感染拡大が起きても医療体制の混乱が生じないような効果ある行動指針と法整備と、感染拡大に対応できる保健・医療体制と医療慣行の見直し、②大規模感染症の中での看護に求められたことと看護の可能性:自宅療養という医療的に「放置」された患者に対応できる看護師の配置と法整備の必要性、③ポストコロナ時代の訪問看護に求められるものーナイチンゲールの業績の学び直しを目指して

波平恵美子お茶の水大学名誉教授

【実践報告】新型コロナウイルス感染者に向き合ってきた私たち

 波平名誉教授の講演に続いて「新型コロナウイルス感染者に向き合ってきた私たち」と題して、2人の方が実践報告をされました。

 北海道江別保健所の深津恵美さんは、保健所の「主なコロナ業務」、クラスター発生時の対応、在宅療養の事例と課題などを紹介しました。

 兵庫県の北須磨訪問看護・リハビリセンターの藤田愛さんは、神戸市の委託事業としての「コロナ感染者への訪問」に最初に手をあげた事業所の奮闘について語られました。

深津恵美さんの報告

藤田愛さんの報告

【教育講演】訪問看護の未来に足元を着実に固めよう

 休憩を挟んで「教育講演:訪問看護の未来に足元を着実に固めよう」と題して、淑徳大学の山口光治学長による「高齢者の尊厳をどう守るかー高齢者への虐待に着目してー」と、関西医科大学の三木明子教授による「コロナハラスメントのない心地よい職場環境の実現」の講演が行われました。

山口光治淑徳大学学長の講演

三木明子関西医科大学教授の講演

【鼎 談】訪問看護と地域のつながり~BCPを活かす~

 最後に、鼎談「訪問看護と地域のつながり~BCPを活かす~」が行われました。日本訪問看護財団の平原優美事務局次長が座長を務め、訪問看護ステーションひなた(京都市)の團野一美さんと安芸地区医師会総合介護センターの板谷裕美統括所長がディスカッションを行いました。

 團野さんは、京都市西京区における、コロナ禍における訪問看護ステーション連絡会や地域包括支援センターとの連携について紹介しました。

 板谷さんは、土砂災害や感染拡大が起きても、必要な在宅療養が続けられる防災医療ネットワークを立ち上げた経緯を紹介しました。

座長の平原優美事務局次長

團野一美さんの発表

板谷裕美さんの発表

3人のディスカッション

 

 鼎談の佐藤美穂子常務理事が閉会の挨拶を行い、訪問看護の歌「人明かり」が流れました。

佐藤美穂子常務理事の閉会の挨拶

 

 

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