看護連盟NEWS

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2021.05.17

看護の日トークイベント開催

 5月12日は看護の日。今年は5月9日から5月15日までが看護週間でした。

 5月9日、看護週間のスタートアップ・イベントがオンラインで開催されました。

<主催者あいさつ>

 最初に主催者のあいさつがあり、田村憲久厚生労働大臣と福井トシ子日本看護協会会長が登場しました。

 福井会長は、まず、コロナ禍は第四波と言われるなかで、医療現場は緊迫した状況が続いており、コロナ禍と向き合う看護職の疲労の蓄積も心配されると述べました。コロナ禍を乗り切るためには、医療従事者と国民が同じ方向を向いていかなければならないと痛感しており、医療従事者の職務へのご理解とご支援をお願いするとともに、国民の皆様には感染予防の徹底を訴えました。また、今回のトークイベントは、これから看護職を目指そうとする中学生、高校生の皆さんたちに、看護の魅力について広く知ってもらうことを目的にしていると述べました。若い方々に看護の魅力を伝え、一人でも多くの方が看護の道を選んでもらいたいと訴えました。

田村厚生労働大臣のあいさつ

日本看護協会の福井会長のあいさつ

<第一部:トークイベント=活躍する看護のスペシャリスト>

 主催者挨拶につづき「看護の日・看護週間」事業の紹介がされたあと、活躍する看護のスペシャリストを紹介するトークインベントが行われました。

 大学看護部の2年生が、集中治療ケア認定看護師と感染管理認定看護師が活躍されている病院を訪問し、それぞれの認定看護師の活躍ぶりを見学したりインタビューする場面がVTR流されました。トークイベントの会場には、VTRに登場した看護学生2人に女優の志田未来さんが加わり、そこに認定看護師の2人がそれぞれ現れ、トークセッションが行われました。最後に志田さんは「私が思っている以上に看護師のお仕事は大変でプロフェッショナルな現場なんだということを実感しました。私たちが看護師の方とお会いする時は、肉体的にも精神的にも本当に弱っている時なので、そんな時に看護師さんにかけてくれる言葉とか笑顔とかにいつも救われています。看護師さんの存在自体がもう安心感につながりますし、本当に希望です。道のりは本当に楽しいことばかりではないと思いますが、たくさんの仲間と出会ってたくさんの経験をして、そして自分自身の理想となる看護師さんを見つけて頑張ってください」と看護学生にエールを送りました。

第一部のトークイベント、左から、司会者、集中治療ケア認定看護師の方、志田さん、看護学生のお二人

これから全国を巡るラッピングバスの出発式でのテープカット。右から、厚生労働省看護課の島田課長、志田さん、日本看護協会の福井会長

<第2部:Nursing Nowキャンペーンの総括>

 第2部のトークイベントでは、厚生労働省医政局看護島田陽子課長と日本看護協会の福井トシ子会長が、今年の6月で終了するNursing Nowキャンペーンの総括として、対談を行いました。その概要をご紹介します。

福井 Nursing Nowキャンペーンは、ナイチンゲール生誕200年となる2020年に向けて、看護の役割をアピールしていく世界的な取り組みで、大きく3つの意義がありました。1つは、看護界全体で共通の目標を設定し、共通のベクトルで取り組めたこと。2つめは、Nursing Nowフォーラム・イン・ジャパンを開催し、Nursing Nowニッポン宣言を発し、今後の方向性を合意・共有できたこと。3つめは世界中の保健医療関係組織が、35歳以下の若手看護職に対するリーダーシップ教育を推奨する企画であるナイチンゲール・チャレンジに参画できたことです。

島田 このキャンペーンの後半がコロナ禍ということもありまして、看護という仕事に様々な場面で目が向けられたことも多かったと思います。このようななかで、看護職の仕事の専門性が広く社会に理解されるようにすることが非常に重要であると改めて感じました。私ども行政で働く看護職には、現場で働いてらっしゃる方々の取り組みが評価され、推進されるための仕組みをつくっていく役割があります。近年の看護に関わる新たな制度に、特定行為に係る看護師の研修制度がございます。特定行為研修を修了した看護師が、これまで以上に看護の社会への貢献が高まることが期待されます。

福井 この制度は、看護政策の推進に寄与した近年の取り組みとして大変大きな成果であり、2025年に向け、地域包括ケアシステムを構築していくなかで重要な制度であると思います。

島田 特定行為研修を修了した看護師は2020年の10月時点で、延べ人数で18,294名です。研修修了者やその方々が働く場の実態を把握しまして、エビデンスを蓄積し、どのような効果・課題があるのかを明らかにしたうえで具体的な推進策を検討したいと考えています。

福井 日本看護協会では、これまでに認定看護師に特定行為研修を実施致し、現在619名の修了者がおります。2020年度からは、認定看護師教育に特定行為研修を組み込み、すでに修了者を134名輩出しております。これらの認定看護師の活動の成果についてもエビデンス構築が必要であることから、可視化に向けて重点事業で取り組んでおります。日本看護協会では、2015年に看護の将来ビジョンを公表しました。2025年に向け、看護がどうあるべきかを示したもので、日本看護協会ではこのビジョン実現のため、政策を推進し、訪問看護提供体制の強化、看護職の働き方改革、看護職の役割拡大の推進と人材育成などの事業を展開しております。しかし、進むべき方向やあるべき姿が明確であっても、それだけではなかなか実現できないことを痛感しています。やはり、効果や政策の必要性を示すエビデンスがまだまだ不足しているように思います。

島田 様々な政策を検討していく上で、なぜその政策が必要なのか、その政策にどのような効果があるのかを示すことが必要ですし、政策を検討する過程で、様々な関係者との調整も必要になってきます。そのような際に、客観的なエビデンスに基づく説明が重要になります。さらに、エビデンスを活用して、それをその政策に生かすことができる人材育成も非常に重要だと思います。

福井 そこで日本看護協会ではナイチンゲール・チャレンジに参加し、政策にコミットできる人材育成の取り組みを始めました。若い世代に政策への関心を持ってもらえるように、看護職やその他の領域の有識者9名のインタビュー動画を日本看護協会のホームページに掲載しております(*)。

* https://www.nurse.or.jp/nursing/practice/nursing_now/?utm_source=whats_new&utm_campaign=20210329_03#ng

島田 政策に関心を持つ看護職を増やしていくことは、非常に重要だと感じます。行政の立場にいる者として、政策を検討する場において、これまで以上に看護職の方が発言されるように、人材育成に大いに期待しています。

福井 日本には厚生労働省医政局に看護課があり、課長をトップに看護系の技官が80名ほど活躍されています。世界的にも、このような仕組みを持つ国は多くはありません。優れたこの仕組みを活用し、日本の看護職員一丸となって様々な取り組みを推進して参りたいと思います。現在、新型コロナウイルス感染症は世界に大きな試練をもたらしていますが、図らずもナイチンゲールから引き継がれた看護の力、看護の価値に光が当てられています。看護に関係する多くの皆さまと共に取り組み、社会が求める役割を果たせる看護の未来をつくるため、一歩一歩前進してまいりたいと思います。

福井・島田 力を合わせてがんばっていきましょう。Nursing Now!

第2部:Nursing nowキャンペーンの総括。右から、島田課長、福井会長、司会者

キャンペーン・ソング「元気の歌」のダンスでクロージング。バックには、全国から寄せられたダンスのビデオが流されました

※なお、このアーカイブ映像は5月23日まで、日本看護協会のホームページからフルバージョンでご覧になれます。24日以降は短縮版になります。

https://www.nurse.or.jp/home/event/simin/20210509.html#live

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