看護連盟NEWS
講演会「人材活用・採用組織作りの最前線」で石田まさひろ参議院議員が特別講演
5月27日、看護職の採用と定着を考える会が開催した講演会「医療・介護の未来をつくる 人材活用・採用・組織づくりの最前線~生産性向上を実現する働き方改革とは~」(日本医療企画セミナールーム、東京都千代田区)において、石田まさひろ参議院議員が特別講演を行いました。
看護の働き方改革の方向性とは(石田まさひろ参議院議員)
この4月から「働き方改革」がスタートしました。石田議員は、今後、看護においても働き方のドラスティックな改革が求められる、と述べました。
現在の医療・看護は、昭和20~30年代に基本的な骨格ができたもので、人生100年時代と言われる現在には合わなくなってきました。昭和・平成が終わり、これまでの考え方を変えなければならない、つまり改革です。今すぐに変わることはできませんが、30年後を見据えて、その方向性を間違わないようにしなければなりません。
生産年齢人口が減少していくなかで、看護師の数だけを増やすことは難しくなります。ナースステーションには、20歳代から80歳台までの看護師が働くようになるでしょう。となれば、みんなが同じ仕事をすることはできません。それぞれの特性に合わせた働き方が求められることになります。
夜勤にも、現在では、看護だけではなく、様々な業界で夜勤が行われています。しかし、看護のように交代制勤務を行なっている業界はありません。今後は、交代制勤務も見直さなければならないでしょう。
石田議員は、全国を回り、さまざまな看護現場を見てきました。このなかで注目した事例の一つとして、消灯時間をなくした病棟を紹介しました。患者は、自分の寝たい時間に寝ます。これにより、看護師も昼間に行なっていたケアの一部を夜に行うことで、昼間の業務に余裕ができました。また、患者も夜間に起きることがほとんどなくなり、転倒・転落事故がなくなりました。
石田議員は、これまで看護の働き方はとくに見直しもされず代々引き継がれてきたが、頭を切り替えて、ドラスティックな見直しが必要になると強調しました。
10年後の看護における価値とは(中島美津子東京医療保健大学教授)
石田議員の特別講演のあと、東京医療保健大学の中島美津子教授が「10年後「かち」残る組織とは~成果を上げる組織は「♡」ができている~」と題して講演を行いました。中島教授は、①医療組織の外部・内部の変化、②組織マネジメントの真の目的、③成果を上げる組織、の観点から、これからの看護の見直しの必要性を説きました。
より大きな視点から課題を捉え解決する(諸橋泰夫看護職の採用と定着を考える会代表理事)
看護職の採用と定着を考える会の諸橋泰夫代表理事は「『人が足りない!』に効く働き方改革~経営層・管理職に求められる視点とは~」と題して講演を行いました。
南東北グループ人材開発部の部長でもある諸橋理事長は、これまでの実務経験から「働き方改革」を論じ、施設内に止まらず、より大きな視点から課題を捉える必要性を説きました。
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