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女性医療職エンパワメント推進議員連盟が総会開催、決議文を文科大臣・厚労大臣に提出
10月23日、超党派で活動する女性医療職エンパワメント推進議員連盟(会長:野田聖子衆議院議員)が、参議院会館で総会を開催しました。東京医科大学の不正入試事件で明るみになった女子受験生の合格者数制限の問題を受け、
①女性医療職が公平に活躍できる環境づくりについてのヒアリング(藤田医科大学の取り組み)
②女性医師等勤務環境改善の取り組みについての概要説明(厚生労働省)
③日本女医会会長の医学部女子受験生の合格者数操作に対する批判
④文部科学省から医学部医学科の入試試験に関する緊急調査の中間報告
がなされた後、意見交換が行われました。また、日本看護連盟の草間朋子会長も挨拶に立ちました。
最後に、国光あやの事務局次長(衆議院議員)が下記の決議文(案)を読み上げ、全会一致で了承されました。
この決議文は、翌日24日に、柴山昌彦文部科学大臣に、25日に根本匠厚生労働大臣に提出されました。
<女性医療職が公正に活躍できる入試・医療現場での環境確保に向けた決議>
本議連では、医療現場では女性が大多数を占めることから、女性の医療職が健康を維持しながら就業を続けられる環境を確保するため、党派や立場を超えて活動を続けてきた。
結果、昨年末、診療報酬上、総合入院体制加算の算定要件の一つに院内保育が追加され、加えて小児科・産婦人科・精神科・リハビリテーション科・麻酔科等の領域において一定の要件を満たせば、複数の非常勤職員を組み合わせた常勤換算が可能となり、また「地域医療介護総合確保基金」のメニューの一つとして、各都道府県の基金事業として院内保育の設置。運営補助が強化された。
しかし、今般、医学部医学科の入学者選抜において不適切な事例があったことは、背景に女性医療職を取り巻く勤務環境が未だに大変厳しいという実情も浮き彫りにした。本議連では、本件を女性医療職の働き方についてその環境を改善するうえで重要な契機にな
るものと捉え、左記の事項について、政府関係機関に速やかな対応を求めるものとする。
一、 厚生労働省は、夜勤・当直を行なっている医療機関における院内保育・院内病児保育の設置等環境整備を見える化し、同時に、諸施策により一層強力に取り組むこと。
二、 全国医学部長病院長会議・大学医学部入学試験制度検討小委員会においては、入学者選抜の在り方の議論を早急に取りまとめ、公正・公平な入試のあり方について考えを示し、男女の教育の機会均等が図れ、受験生や社会の信頼を取り戻すこと。
三、 文部科学省においては、関係者とも連携し、具体的にどのような事例が不適切、不正であるか整理し、今後大学入学者選抜について進んでいくべき方向性を示すこと。
右決議する。
平成二十年十月二十三日
女性医療職エンパワメント推進議員連盟
<写真>
① 総会に先立ち挨拶する野田会長
② 挨拶する日本看護連盟の草間会長
③ 決議文(案)を読み上げる国光衆議院議員
④ 柴山文部科学大臣に決議文を提出。左から、石田まさひろ参議院議員(幹事、自民)、自見はなこ参議院議員(事務局長、自民)、石井苗子参議院議員(幹事、維新)、柴山大臣、野田会長、木村弥生衆議院議員(会長補佐、自民)
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