会長のマンスリーメッセージ

会長マンスリー
2024.12

確認しておきたい、厚生労働省の補正予算案

 2025年も残すところわずかとなりました。

●厚生労働省「令和7年度予算概算要求」

 今年8月、厚生労働省は「令和7年度予算概算要求」を発表しました。その内容は「少⼦⾼齢化・⼈⼝減少時代にあっても、今後の⼈⼝動態や経済社会の変化を⾒据えた保健・医療・介護の構築や包摂社会を実現するとともに、持続的・構造的な賃上げに向けた三位⼀体の労働市場改⾰の推進と多様な⼈材の活躍促進を通じて、国⺠⼀⼈ひとりが、安⼼して⽣涯活躍できる社会の実現に向け、3つの柱で重点的な要求を行う」というものです。

 3つの柱は「①全世代型社会保障の実現に向けた保健・医療・介護の構築」「②持続的・構造的な賃上げに向けた三位⼀体の労働市場改⾰の推進と多様な⼈材の活躍促進」「③⼀⼈⼀⼈が⽣きがいや役割を持つ包摂的な社会の実現」です。特に①においては「医療・介護におけるDX」「医師偏在対策・地域医療構想・かかりつけ医機能等」などが挙げられていました。

●厚生労働省「令和6年度補正予算案」

 そして12月、「令和6年度厚生労働省補正予算案」が成立しました。追加額8454億円のうち、2861億円と最も多く配分された「Ⅰ.医療・介護・障害福祉分野の更なる賃上げの支援等、医師偏在是正に向けた対策の推進」では、「医療・介護・障害福祉分野の生産性向上・職場環境改善等による更なる賃上げ等の支援(1892億円)」「医療需要等の変化を踏まえた医療機関に対する支援(428億円)」「出生数・患者数の減少等を踏まえた産科・小児科の支援(55億円)」などが示されています。

 その他、「Ⅱ.持続的・構造的賃上げに向けた支援等」(313億円)、「Ⅲ.創薬力強化に向けたイノベーションの推進、医薬品等の安定供給確保」(442億円)、「Ⅳ.医療・介護DX等の推進」(1447億円)、「Ⅴ.国際保健・次なる感染症に備えた対応等」(1022億円)、「Ⅵ.国民の安心・安全の確保」(2205億円)が示されています(詳細は下記のQRコードを参照)。

 厚生労働省令和6年度補正予算

●処遇改善を実現した看護職国会議員とともに、さらに取り組んでいく

 12月19日に発行された[参議院議員 石田まさひろメールマガジン]Vol.12-249では、「開会中の臨時国会において、令和6年度補正予算が13.9兆円規模で成立した」と報じられました。看護関連では「物価高対策・賃上げ支援として、病院・訪問看護ステーション、看護師等養成所等への補助金等が約2000億円確保できた」と述べられています。また、「特定行為研修促進のための整備費も確保できた」とのことです。

 医療・介護・障害福祉分野には、その他にもさまざまな課題が山積されています。日本看護連盟は、日本看護協会、都道府県看護連盟・看護協会、そして看護職国会議員、看護を支えていただいている国会議員の皆さまとともに力を合わせ、看護職一人ひとりがその力を十分に発揮できる働きやすい職場環境の確保、処遇改善等に取り組んでまいります。今後ともご理解・ご協力をよろしくお願いいたします。

 来年が皆さまにとって、健康で実りの多い年となりますよう、心からお祈り申し上げます。

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