会長のマンスリーメッセージ

会長マンスリー
2018.09

「ナースプラクティショナー」 ご存じですか?

 日本でナースプラクティショナーが、公式に検討の俎上に載ったのは、内閣府規制改革会議から厚生労働省に対して「日本においてもナースプラクティショナーの必要について検討し、平成22年3月までに結論を出すこと」が提示された時からではないかと思います。これを受けて、厚労省では、平成21年8月に「チーム医療の推進に関する検討会」を設置し、8回にわたる議論を経て、平成22年3月に、チーム医療のキーパーソンとして「医師の包括的指示の下で診療の補助行為を実施できる特定看護師(仮称)」を活用することが提案されました。その結果、平成26年の通常国会において保助看法の改正(「看護師の特定行為に係る研修制度」)が行われました。

 ナースプラクティショナー(NP)は、1965年アメリカで始まった制度で、現在、約25万人(国の資格試験に合格した後、各州で認定され、5年ごとに免許更新が行われている)のNPが自律的に活動し、今日のアメリカの医療を支える上で、なくてはならない存在になっております。

 日本では、平成20年に「公立大学法人 大分県立看護科学大学」の大学院修士課程でナースプラクティショナーの養成教育がスタートし、現在8つの大学院修士課程で養成教育が行われております。一般社団法人日本NP教育大学院協議会が実施している「NP資格」試験に合格したNPが平成30年3月の時点で、359人に達し、病院、老健施設、訪問看護ステーション、診療所などで活躍しております。日本NP教育大学院協議会では、患者さんをはじめ国民のみなさまに分かりやすいようにと「ナースプラクティショナー」を日本語では「診療看護師」と呼ぶことにしております。「診療看護師」は、患者さんたちのQOLを高めるために、症状マネジメント(医師の役割は疾病マネジメントであると考えております)の視点に立ち、患者さんたちを総合的にアセスメントし、医師の包括的指示の下で、タイムリー、効果的、効率的に対応できるスキルを備えており、その活動実績については、すでにさまざまの報告がなされ、患者さんや、同僚の看護師、医師等から高い評価を受けております。

 人口減少社会を迎えた日本において、効率的、効果的医療提供体制を構築していくための改革が検討され、タスクシフト(業務の移管)が不可欠であるといわれております。段階の世代が後期高齢者となる2025年、高齢者人口がピークになると予測されている2040年に向けて、看護職自らも質の高い、効率的な医療・介護提供体制づくりにかかわっていかなければなりません。NPは、今後の医療・介護の体制づくりの中で、重要な一端を担うことができる人材であると期待しております。日本看護協会では昨年からNPの制度化に向けての検討会を設置し、検討を開始しております。日本看護系大学協議会でも大学院NP課程を推進しております。

 医師、看護師、薬剤師などの職種間のタスクシフトは早急に進めていかなければならないことはもちろんですが、看護師の専門性の確保、効率的な活動を進めていくためには、看護補助者の活用も含めて看護職間のタスクシフトについても積極的に進めていく必要があります。

 看護職も疲弊しています。看護職がプライドを持って、元気で明るく働き続けられるためにも、タスクシフトの具現化を看護の視座から検討していかなければいけない時期です。看護職はチーム医療のキーパーソンです。2025年は目前に迫っております。2040年もそう遠くはありません。

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