会長のマンスリーメッセージ

会長マンスリー
2018.08

看護職の有給休暇

 気温40度以上の情報が全国各地から報告され、猛暑・酷暑が続きます。気象庁の発表では、今年の7月は「異常気象」だそうです。

 医師をはじめとした医療従事者の働き方改革の検討が進められ、今国会で「働き方改革法」が成立しました。この法案の制定により、時間外労働の上限値が罰則付きで設定され、勤務間のインターバル時間(努力義務化)についても具体的な検討が始められることになりました。

 看護職者の働き方改革を考えるときのもう一つの重要な課題として、休暇の問題があると思っております。

 大学や専門学校の学生たちが、職場を選択する時の要件としてあげるのは、「給与、休暇、教育」の3Kです(病院環境はかつてに比べ大きく改善され、看護職に対するかつての3K<危険、きたない、きつい>のイメージを持つ学生たちは、少なくなっていると思っています)。日本看護協会が実施した「2017年看護職員実態調査」の結果によりますと、看護職が職場環境として重要と考える要素の2番目にあげられているのが「休暇をとりやすい」(回答者の94.4%)ことです。ちなみに1番目は「職場の人間関係が良好」(95.6%)です。休暇をとりやすいというニーズを「満たしている」と回答した看護職は、40.8%であり、ニーズと実態との乖離の大きいことが分かります。有給休暇取得状況の実態報告では、付与休暇日数平均18.5日に対して、取得休暇日数8.5日(取得率48.3%)とされています。

 一方、厚労省の調査では、2017年度の労働者全体の付与有給休暇日数は、平均18.2日で、実際に取得した休暇日数は9.0日で取得率は49.4%であること、大規模事業所ほど有給休暇の取得率が高いこと、産業別でみると取得率が最も高いのが「電気・ガス・熱供給・水道業」で71.8%。最も低いのが「宿泊業、飲食サービス業」の32.8%であることが報告されております。

 看護職全体、労働者全体の平均で比べた場合には取得有給日数、取得率には大きな違いは認められません。「看護職は有給休暇を消化できない」などといわれておりますが、統計データを見る限り、有給休暇が消化できていないのは、日本の労働者全体にいえることで、看護職に限ったことではないことになります。しかし、看護職の場合も、病院の規模、所属施設の種類によって有給休暇の取得がかなり異なることが予想され、このことが、看護協会の調査で、60%が、休暇の取得に満足していないという結果に現れております。看護連盟としては、病院規模等による有給休暇の取得状況に関する調査を行い、職場ごとのばらつきをなくし、看護職の休暇に対する不満を解消していくことが必要と考えております。

 働き方改革の一つの柱に「労働の生産性の向上」があげられております。

 生産性の向上のための有給休暇の確保のあり方を看護職の勤務環境の特殊性との関係で検討していく必要があると考えております。

 小学生から大学生まで、学生たちは長い(40日以上)夏季休暇に入りました。諸外国では、もっと長い夏季休暇があると聞いております。ランドセルを背負った生徒が乗らなくなり幾分ラッシュアワーの混雑が緩和された通勤電車の中で、教育する立場から、何故、大学生にこのような長い夏季休暇が必要か、この制度が導入された経緯について調べてみたいと思っております。

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