会長のマンスリーメッセージ

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2018.04

人生100年時代の看護職

 国立社会保障・人口問題研究所は、3月30日、2045年までの「地域別将来推計人口」を発表しました。2045年の人口は、2015年比で2000万人減の1億642万人となり、東京都を除く46道府県の人口は減少する見通しで、高齢化率は30%を超えると推計されています。高齢化率が50%を超える県があるとの報告もありました。

 少子化に伴う超高齢、人口減少社会が加速する中「人生100年時代」をリアルに受け止め「より長く元気で働き続けられる社会」の構築に向けて専門職としての看護職の役割を明確にしていくと同時に、看護職自身の「人生100年時代の働き方」を組織的に検討し、政策実現につなげていく必要性を改めて実感しております。

 高齢になっても、医療・介護の世話を受けずに自立した生活を送り続けられるよう(PPK:ピンピンコロリンが多くの人々の望むところです)に国民、地域のみなさまの自助を支援し「健康寿命の延伸」を図っていく役割は、保健師にあります。「国民皆健康診断」(すべての人々が制度的に健康診断を受診できるようにすること、各種の健康診断の受診率を100%に近づけること)を政策的に実現し、保健師が「健康診断・保健指導」を一体化した自律的な活動ができるシステムづくり(現在、保健師は、「保健指導」のみが業務として認められている)に向けての改革が必要であると考えています。保健師は「健康づくりのキーパーソン」です。健康増進・予防の最前線の役割を担うのは保健師です。また、子育て支援の一環として「いつでもどこでも安心して出産できる」「安心した産後ケアの提供」などの状況をつくっていくためには、正常分娩は「性と生殖のキーパーソン」としての助産師が自律してできる仕組みづくりに今まで以上に積極的に取り組んでいくことが必要だと考えております。看護職として安心・安全なサービスを提供してくためには、教育が不可欠です。現在、保健師、助産師の専門性を高めるための大学院修士課程での養成教育も進められています。この教育資源を、社会に還元していくためにも、医療界をはじめ社会がもっと保健師、助産師の活動に関心を持って欲しいと思っています。

 一方、生産人口、労働力人口比率を高めるためには、専門職としての看護職の「職業寿命の延伸」の仕組みづくりが必要です。「生涯現役」を目指すやる気満々の看護職が増えております。高齢になっても一人ひとりの体力とライフスタイルに沿った柔軟で多様な働き方が選択できる制度的な就労環境づくりに取り組んでいかなければならないと思います。

 「人生100年時代」を迎えた今、高齢者は「弱者」であるとの認識の変革が、個人にも組織にも求められております。

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